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那須別荘新築した体験談
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19. エアコンとテレビ

エアコンとテレビ0
この前、やっと以前から「一度は・・・」と思っていた「二期倶楽部」の本館に泊まることが出来ました。お部屋は決して広々という訳ではないのですが、ソファに座っていると何だか落ち着きます。何故だろう?と考えてみたら、エアコンとテレビが目につく場所にないのが原因だと分かりました。エアコンはクローゼットの上の空間にビルトインで設置されており、格子状の木枠で目隠しされています。テレビは造り付けの家具の中に隠されていて扉を開いたら出てきました。カオリは那須でたくさんの宿泊施設に泊まりましたが、その中で気が付いたことがあります。それは快適な場所に泊まったときにはテレビがあっても見ないということです。お部屋の雰囲気を楽しんで、お部屋の中で過ごす時間を大切にしたい。そういった宿泊施設では不思議とテレビを見る気にはならないのです。反対に、不快な宿泊施設に泊まった時はテレビをほとんどつけっ放し。そこにいる不快感を忘れるためにテレビに没頭しようとします。

「二期倶楽部」ではすべてが洗練されていて気持ちよく、もちろんテレビは一瞬たりともつけませんでした。そういった快適な宿泊施設では、テレビはむしろ目に付かない場所にしまわれていた方が落ち着くのだということに改めて気が付きました。

カオリが建築をお願いしている一級建築士の円谷さんが、打ち合わせをしているときに
「エアコンとテレビは住宅には一番似合わないモノなんですよ」
とおっしゃられたことがあります。その言葉が今さらながら鮮明に思い出され、なるほどと初めて実感として納得しました。存在感の大きいエアコンとテレビという電化製品をあえて目に付かない場所に隠すことによって、居住空間に落ち着きが生まれ、平静な心を得ることができる・・・そんな簡単なことにも容易には気が付かないくらい、現代の住宅にはエアコンとテレビが当たり前のように目立つ位置に配置されているのです。

早速、カオリは「二期倶楽部」をチェックアウトしてから行なった円谷さんとの打ち合わせの席で要望を出しました。
「エアコンをビルトインにして欲しいのですが、可能でしょうか?」
「クローゼットの上に空間があるから出来そうですよ。でも温度センサーが正確に働くかな?ちょっと待って下さいね」
そう言ってその場でお付き合いのある電気屋さんに電話をして確かめてくれました。
「大丈夫そうですよ。いやあーこれはいい家になるなあ」
「よかった。ありがとうございますぅ」
てなやりとりで、無事にエアコンがビルトインになることになったのでした。
あとはリビングの角に置く予定のテレビをうまく隠す方法があるのかどうか、只今検討中です。

ところでご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、「二期倶楽部」はオーナーの北山ひとみさんが「別荘に行ったときの不便さを解消したホテルを」という発想で6部屋から始めたホテルです。林や渓流が広がる3万5000坪の敷地に日本最初のオーベルジュとしてオープンしたホテルは大評判となり、今に至っているのです。カオリは一度宿泊してみて、すっかり北山ひとみさんのファンになってしまいました。こんなに素晴らしい時間と空間を多くの人々に提供している女性がいることに感動を覚えたのです。規模は違いますが、カオリもいつか北山ひとみさんのように、自分の気に入った空間を多くの人々に提供できるような、そんな女性になりたいと密かに心に誓ったのでした。

※注:現在では二期倶楽部は、星野リゾート「リゾナーレ那須」の運営に変更となっています。


エアコンとテレビ1
カオリはすっかり「二期倶楽部」の快適さが気に入ってしまいました。

エアコンとテレビ2
すべての空間が絵になる場所です。


「二期倶楽部」で得た知見を参考に、別荘のエアコンは「埋め込み式」にしました。

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