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那須別荘新築した体験談
那須別荘新築(もくじ)
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41. 別荘か永住か?

別荘か永住か?
「いやあ、こんなに快適そうな別荘なら、将来は永住もいいですね」
あるとき、カオリが何気なくそんな一言を、円谷さんとの打ち合わせの席で言ったことがありました。
「え!永住ですか?それじゃあ収納が全然足りませんよ。もっとスペースを有効活用して増やしておかないと。住宅のクレームで一番多いのは収納に関するものなんです」
と、円谷さんの素早い反応。
「ええ!?収納が全然足りないんですか?今からでも何とかなります?」
少しうろたえ気味に恐る恐る聞くカオリ。
「うーん。そうですねえ。それじゃあ、この屋根裏の部分をうまく活用して収納に変えてみましょうか。そうすればかなりの収納が確保できますよ」
円谷さんの頭の中では、もう設計図が浮かんでいるようです。
「お、お願いします」
少しホッとして、お願いするカオリ。

と、何とかギリギリのタイミングで収納問題を解決できた訳ですが、そこには重要な示唆が含まれています。そうです。「別荘と住宅は違うもの」という建築する側の認識です。

リゾート雑誌の記事でよく見かけるコメントに、「別荘のつもりで建てたけど、気に入ったから住むことにしました。東京までの通勤には時間がかかるけど、とても気に入っています」というようなものがあります。幸いにして那須高原は新幹線を使えば東京まで通勤できない距離ではありません。ですから、最初は別荘のつもりで建てたけど、やっぱり那須高原に住んで通勤することにしました、というような展開は、今後ますます増えると予想されます。その時、確実に問題となるのは冒頭のやりとりで見られるような施主側と建築する側の別荘に対する認識の違いです。施主側には、「別荘で使えるなら住宅としても使えるはず」という甘い認識があり、建築する側には「別荘で使うなら住宅のような仕様は必要ないはず」という認識があります。その結果、別荘はいざ住宅として住もうとすると、不便な点が多々ある建物ということになってしまうのです。

特に収納の問題は重要で、別荘で使用していた時には広々として気持ちの良い空間だったのに、いざ生活するとなったらモノをしまう場所が足りなくて、何だか生活感溢れる雑多な空間になってしまった、というようなこともあり得ます。そのため、物置を買ったり、収納家具を買ったりして、何だかちょっとイメージしていた感じと違うかなあということなってしまうのです。また、収納が必要だと頭では分かってはいても、予算内で家を建てようとすると、せっかくの別荘ということで居住スペースをできるだけ広く取ろうとして収納スペースをつぶしてしまうということも多いようです。

そういった事を未然に防止する為にも、カオリが特にお薦めしたいのは、建築士さんと別荘建築の打ち合わせをする時に「将来、永住する可能性があるかもしれないので、そのつもりで設計して下さい」と伝えておくことです。そうすれば建築する側も「別荘ならこんなものだろう」的な意識ではなくて、「住宅としても使用できるものを作ろう」という意識で設計と施工をしてくれます。結果として、将来はそのまま別荘として使用することも出来るし、住宅として住むこともできるという、幅広い選択肢を持った建物を建築する事ができるのです。

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