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那須別荘新築した体験談
那須別荘新築(もくじ)
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43. リフォームのアイデア

リフォームのアイデア
新しく別荘を建築する場合には、リフォームのアイデアも大変に参考となりますので研究しておくと良いでしょう。リフォームの発想には、「広い家=面積が大きい家」ではなくて、「広い家=広く見える家」という考え方があります。リフォーム(reform)とは、改善を意味する言葉で、狭い家を広く使えるように、ちょっとした工夫をするということです。

新築なのに何故リフォームを参考にするのかと言うと、建築には予算がつきものだからです。お金が無尽蔵にあるという人は別にして、大抵の人は限られた予算の中で別荘を建築します。予算が限られている以上、必要最低限の間取りの組み合わせの中で、いかに広く感じさせるかというのは大きな課題です。リビング、ダイニング、キッチン、洋室、バス、トイレ、洗面、玄関・・・。間取りを考えると言っても、実際には奇抜なアイデアを実行する余裕もなく、標準的な部品をいかに組み合わせるかという配置の問題だけであったりもします。しかし単純だからこそ、その組み合わせ方にはセンスの良さが求められるのです。

人間の目とは不思議なもので、一つの箱のようにだだっぴろい空間では広さも面白味も感じませんが、適度に空間が組み合わさっていると、好奇心をそそられ広さを感じます。いわゆる目の錯覚と期待感というものですが、リフォームのアイデアにはその目の錯覚と期待感をうまく利用したものがあって、とても参考になります。ちなみに、リフォームのアイデアからヒントを得て今回の別荘建築に取り入れたアイデアには、以下のようなものがあります。
  1. 間取りについて
    例えば、リビング、ダイニング、洋室という3つの部屋があった場合に、これらを一つに繋げれば一番大きな空間を取れると単純に思いがちですが、それではセンスがありません。できれば敢えて3つの部屋を少しずつズラして、でも空間としては繋がっているというように配置するのがベストです。そうすることによって、対角線上に立った場合に感じる奥行きの広さが最大となります。各部屋の入り口が角にくるので、自然と広く感じます。死角が出来るので期待感もプラスされ、何だかわくわくするような間取りとなります。カオリの場合は、部屋と部屋をそれぞれ厚みのあるアーチで繋いだので、さらに期待感が高まるはずです。

  2. 中庭について
    リフォームでは、子供が大きくなって家を出た後などに、余った部屋を取り除いて中庭を造る減築という手法があります。風通しがよくなり、各部屋が外に面して大変に気持ちが良いそうです。カオリもタタミ半畳ほどの広さですが、お風呂場の横に屋根まで吹き抜けで天井に穴の開いた小さな中庭を造りました。お風呂場には腰の高さくらいの低い窓を設けて、中庭が見えるようにしました。狭い中庭ですので、窮屈に感じないよう、中庭の壁3面に鏡を貼り、奥行きを感じさせるような細工をします。冬には天井からの雪が中庭に積もり、風雅な雰囲気を楽しめるはずです。また、中庭はトイレの窓と玄関の窓にも利用されています。高低差があるので、それぞれの窓から覗き見される心配はありません。

  3. 仕舞えるコンピュータルーム
    1階の洋室にあるクローゼットの中に造りつけの机を作成してもらって、コンピュータルームにします。扉を開くと洋室がコンピュータルームに早変わりする仕掛けです。机はデスクトップコンピュータが2台並べて置けるくらいの広さで、プリンターなどの周辺機器も置けます。クローゼット奥の壁は全面を使って壁面収納にしてもらい本棚にします。相当数の本が収納できます。机の上が散らかっても扉を閉めれば、すぐに片付いた洋室になるので便利だと思います。

  4. 洗濯機を隠す
    生活感のある野暮な洗濯機は別荘では是非隠してしまいたいアイテムです。カオリは、洗面台を広くとり、その下にアンダーカウンター方式のドラム型洗濯機を収納しました。2重扉で洗面扉と同じ化粧板を貼れますので、見た目はそこに洗濯機があるとは誰も気が付かないはずです。

  5. トイレの床はタイル貼りに
    細かいことですが、トイレの床が木になっていると、洋式トイレの便器の付け根辺りに水が溜まり、黒く変色してしまうことがあります。実はそれは、子供がおしっこをする時にうまく出来なかったものが便器を伝わり、床にまで到達したものです。見た目はまるで便器から水が漏れたように見えます。それを防ぐ為にも、トイレの床はタイル貼りにした方が安全です。

  6. 脱衣場の床はタイル貼りに
    お風呂から上がったときの水で脱衣場が濡れ、木の床が黒く変色している別荘を見かけます。あらかじめタイル貼りにしておけばそういった心配もありません。タイルは冷たいので、床暖房と必ず併用するようにします。

  7. 廊下、階段の有効幅を100センチとる
    カオリはバリアフリー住宅を目指したかったので、廊下や階段を広めにとりました。そういった部分に余裕があると全体が広く、ゆったりと感じられます。バリアフリー住宅といっても2階は関係ないだろうということで階段の幅は狭くしてしまいがちですが、狭い階段はすれ違いが出来ずに危険で、余裕が感じられないうえ貧相に見えます。出来れば階段も手摺を除いた有効幅が100センチあれば理想です。

  8. 家具は可能な限り造り付けに
    コンピュータルームの机のほかに、食器棚、2階のクローゼットなども造り付けです。必ず必要になるものなら、出来るだけ初めから造り付けにしてもらった方が便利でスペースも最大限に有効活用できます。
これらリフォームの手法から得たアイデアは、実際に人々が生活していく中で感じた実体験に基づいたものばかりです。別荘を建築する際には、新築の資料と併せて、リフォームの資料にも目を通すと、視野が広がって良いアイデアが出るのではないかと思います。

また、建築士さんと打ち合わせをするときには、素人だからといって遠慮をせずに、考えたことをどんどん口に出して言ってみた方が良いでしょう。却って建築の専門知識を持たない素人の方が、柔軟な発想ができる場合もあるようです。カオリも別荘建築が始まってからは2週間に1回くらいの割合で建築士の円谷さんと打ち合わせの時間を持って、双方でアイデア出しをしています。

「別荘は最後は結局は施主さん次第なんです。あの施主さんだったらこの別荘だねというものが最後には必ず出来上がります」
そう円谷さんは機会あるごとにおっしゃっています。
カオリの別荘も他の人からみれば「やっぱりカオリさんね」と言われるものになるのでしょうか?楽しみな反面、何だか少し怖い気もする今日この頃です。

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