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那須別荘新築した体験談
那須別荘新築(もくじ)
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58. 電設チェック

電設チェック
「室内の掃除も終わりましたのでキレイですよ。現場を見に行きましょう」
そう言ってウキウキしながら、円谷さんが事務所からカオリハウスまで車で案内してくれました。円谷さんとの打ち合わせもいよいよ最終段階です。照明や電気設備の設置もほぼ終わり、あとは外回りを仕上げれば完成という段階まできました。
「いやあ、この家は澱みがなくていいですね。大抵の家はどこかに澱みが出るものです。ところが、この家はどこにも澱みがない。透き通って、すべての空気が抜けるような感じです」
カオリハウスに到着した円谷さんが惚れ惚れしたような感嘆をもらします。色々と変更があり、多くの設計上の偶然が重なって、結果としては絶妙な空間演出がなされたようです。
「そうですねえ。でも、よくここまで来ましたねえ」
カオリも感無量といった感じで、各部屋の照明を点けたり消したりしながら、出来上がりをかみしめていました。

ところが、ふとキッチン正面の照明を点けようとして、スイッチがどこにも見当たらないことに気が付きました。どこにあるのかな?キッチン内にはそれらしいスイッチはありません。キッチンを出て、ダイニングの方へ回り、キョロキョロ探すと、いくつかのスイッチに気が付きました。それらを順に試してみると、やっとキッチン正面の照明が点きました。これは不便です。
「円谷さん、キッチン正面の照明スイッチがダイニングにあるんですが」
カオリは恐る恐る円谷さんに聞いてみました。
「えッ!?あらら。これじゃあ不便ですね。いやあ、いつも蛍光灯ばかり使うから、ハロゲンランプを使うことを想定していませんでした。せめてキッチン内にスイッチを持ってこれないか、考えてみます」
これは円谷さんも意外だったようです。ムムム。急に不安になってきたゾ。他のスイッチは大丈夫かしらん?そう思って、今度は注意深くすべての電気スイッチを確かめていきました。
「円谷さん、このスイッチは何も点灯しないようですが?」
パチパチ切り替えてもどこも反応しないスイッチを不審に思うカオリ。
「あれれ?そうですね、これは必要ないみたいですね」
円谷さんも不審そうです。
「円谷さん、廊下の照明が一度に点かないんですけど・・・」
廊下にぶら下がっている二つの照明のスイッチが、何故かそれぞれ別々に、廊下の両端に付いています。
「うーん、これは不便ですね。確認してみます」
円谷さんもだんだんと弱ってきたご様子。
そして他にもスイッチに関する不具合が数箇所発見され、手直しすることになりました。

電気スイッチの不具合は、新築しながら増築するような箇所が多くあり、当初の設計図から電気配線を変更する必要が生じていたのが原因でした。また、増築部分に関してはアイデア優先であったため、それに伴う電気配線の変更まで手が回らなかったのです。もし、キレイな室内をただ見て浮かれていただけなら、発見できなかったであろう不具合。やはり現場に行ったら厳しい目であらゆるところをチェックするくらいの心構えを最後の最後まで持っていないといけないのです。特に電気設備に関しては工事の最終段階で仕上げが行なわれるので、すべてが間違いなく動くかどうかチェックして、不具合があれば手直しをお願いする必要があります。

ところで、このような電気スイッチや電気設備の不具合に関しては、電気屋さんだけのせいにするのは間違いです。電気屋さんを含め職人さん達は“指示された通りにきちんと仕事をする”という意識が強く、きちんと指示をしなければきちんとモノは仕上がりません。ですから今回の件は、指示が足りなかったカオリと円谷さんの共同責任であると思います。そんな訳で、まだまだカオリハウスの完成までは気を抜くことが出来ないカオリなのです。

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