を新築してみた
那須別荘新築した体験談
那須別荘新築(もくじ)
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11. 間取りの決め方

間取りの決め方0
昭和40年代頃、庶民が建てる別荘はほったて小屋のようなものが多かったようです。遊び道具が置けて、食事が出来て、荷物が置ける場所としての別荘です。

ところが時代は平成/令和となり、昭和の頃よりは贅沢な時代となりました。郊外に建築するので都心に家を建てるよりも建築費が安くて良いものが建てられる別荘は、「理想を現実に」がキーワードとなってきています。そこでカオリも南欧風のリゾート空間を実現できると良いなぁと思い描いている訳ですが、なにぶん予算というものがあります。際限なく大きな別荘を建てられるわけではありません。むしろ無駄を省いてどう組み合わせるかという、削ぎ落とし作業が必要なのです。カオリが別荘を建てるにあたり考えた間取りの条件は、具体的には以下のようなものでした。
  1. 玄関は外から順にポーチ、玄関、ホールと続き、ホールのドアを開けて室内に入るようにしたい(冬に出入りする際の冷気が直接室内に入り込むのを防ぐため)。
  2. ホールのドアを開けたら開放的なリビングがあるようにしたい。
  3. プレイゾーンとしてのリビングを広くとりたい(12帖以上)。
  4. リビングは開放感が感じられるよう吹き抜けにしたい。
  5. 1階に寝室となる部屋を1室設けたい(8帖)。
  6. リビングと1階の寝室となる部屋は、寝るとき以外は続きの部屋となるような配置にしたい(可動式の引き戸で仕切るイメージ)。
  7. 2階に寝室となる部屋を1室設けたい(8帖)。
  8. 食事をするダイニングスペースが欲しい(6帖)。
  9. キッチンはリビングから見えないようにしたい(調理が終わったあとの洗い物などが丸見えになるのを避けるためアイランドキッチンにはしない)。
  10. リビングの隅にキッチンがあるアパートのような雰囲気は避けたい。
  11. キッチンは2人以上が出入りしても動線がぶつからないように、回遊動線を確保したい
  12. 洗面台は大きめにとりたい。
  13. お風呂は3枚ドアのバリアフリー設計にしたい。
  14. 洗濯機は可能であれば普段は隠しておきたい。
  15. トイレは引き戸にして車椅子でも利用可能な大きさにしたい。
  16. 窓を多めにとり、明るい室内にしたい。
  17. 収納は掃除道具などが入る「物入れ」を作りたい。
  18. 布団が入る「押入れ」をきちんと確保したい。
  19. リビングの窓は掃きだしにして、テラスに出られるようにしたい。
  20. リビングとテラスの段差は可能な限り無くしてフラットにしたい。
  21. 屋外でも食事ができるような「大き目のテラス」が欲しい。
  22. 1階部分は車椅子でも利用可能なようにすべての有効幅が車椅子でも余裕で通れるようにしたい。
これらの希望をベースにしてあとはパズルのようにして間取りを決めていく訳ですが、あちらを立てればこちらが立たず、あーでもない、こーでもないと何十回もメールやFAXでやり取りをして、那須へ打ち合わせに出掛けました。予算もあり、それぞれの部屋が無駄なく効率的に隣接するように配置しなければなりません。全部の部屋をパタパタとくっつけて見ますが、入り口が無くなったり、階段の配置が難しかったり、廊下が多くなってしまったり。なかなか間取りというのは奥が深いと感じました。

特に難しいのはトイレをどこに置くかということです。車椅子で利用できるトイレとなると、車椅子が回転するためのスペースとして便座の前やトイレの入り口前に2帖分のスペースが必要です。駅にある車椅子用のトイレのようにトイレ内部と入り口前に広々としたスペースをとることが考えられますが、全体のバランスが崩れて、やけに大きなトイレが普通の家にあるといった違和感を感じることになるでしょう。解決には随分と頭を悩ませましたが、結局は玄関ホールのスペースをうまく活用することで解決しました。

平面図での間取りについてはカオリのような素人でも色々と考えて提案することが可能ですが、そこに梁の入り方や2階の載せ方など、立体的な間取りを含めた考え方が入ってくると素人ではお手上げです。平面図での間取りがだいたい決まったら、構造や耐震性を考慮した立体的な間取りは建築士さんにお任せすることになります。

間取りの決め方
(↑)カオリが書いた間取り図。まだまだ納得がいかずに考え中のもの。
建築士さんが書くのを見よう見真似で自分で間取り図を書いてみたりもしました。必要な広さのパーツを廊下などの無駄なスペースをなるべく発生させないようにパズルのように組み合わせていきます。建築士さんから提示された間取り図をこちらで手を加えてこんな風にしたいなど、何十回もやりとりを繰り返しました。限られた予算の中でどう組み合わせていくかを考えると間取りのとりかたに限界があるように思えてきて、鉛筆で何度も何度も書き直しながら、脳みそを絞って考えました。最後は建築士さんも疲れてきたのか「一マスの四角を畳半畳分として、好きなように間取りを考えてみてください」と言われ、「そんな無茶振り、アリ?」と思いつつも、頑張って間取りを考えました。最終的に行き着いた結論としては、廊下などの無駄なスペースを省くには各部屋を一つの箱と考え、少しずつズラしながら隣接して配置すると良いことがわかりました。

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