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那須別荘新築した体験談
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21. 換気システム

換気システム
省エネルギー性から高気密・高断熱化が進む昨今の住宅事情に関連して、どうしても考えておかなければならないのが換気システムについてです。高気密・高断熱住宅は特に冬場など「閉め切った家」になるため、何も対策をしないとホルムアルデヒドなどの化学物質濃度が高くなるとともにダニやカビも大量発生して、空気の複合汚染による「シックハウス症候群」を引き起こします。

ホルムアルデヒドはアジア産ベニヤ板の接着剤の防腐剤として使用されており、閉め切った部屋の温度が上がると揮発して空中を浮遊します。揮発したホルムアルデヒドは蒸気となって空気と一緒に体内に吸い込まれ、中毒症状だけでなく最悪の場合は死に至ることもあるという恐ろしい化学物質です。

ホルムアルデヒドだけでなく、最近はVOC(揮発性有機化合物)や残留農薬も問題となっており、“ケミカルフリー”の住宅を目指す為には、壁紙やカーペットを張り合わせる接着剤、農薬まみれのイグサを使用した畳、ベニヤの合板を使用したフローリングや家具、ホルムアルデヒドが検出される安い中国製の生地を使ったカーテンなど、科学物質汚染の原因となるすべてを排除した自然素材の家を目指す必要があります。特に気を付けたいのは、ベニヤが大量に使われている2X4(ツー・バイー・フォー)の住宅と押入れや収納スペースなど造り付けの家具の中です。それらの中にはホルムアルデヒドが大量に漂っているはずですから、少なくとも入居後1〜2カ月は絶対に閉め切らず、毎日、風を通す必要があります。たとえば、3LDKのマンションで室内の空気汚染を完全に除去するためには、すべての窓を3年間は毎日開けっ放しにする必要があると言われているくらい、化学物質による空気汚染の実態は深刻です。そういった知識があれば、新しい住宅への入居は秋や冬ではなくて、窓を開けて換気のできる春先を選ぶべきだとの判断もできます。

なお、「シックハウス症候群」については国会でも問題となり、建築基準法が改正されることとなりました。対象となった化学物質は、シロアリ駆除剤のクロルピリホスと、合板や壁紙などの接着剤から出るホルムアルデヒドの2種類です。居間や寝室など居住部分について、@クロルピリホスを出すおそれのある建材の使用を禁止する、Aホルムアルデヒドの発生量の少ない建材を使う、ことが義務付けられます。また、マンションなど気密性の高い建物には、換気設備の設置が義務づけられます。

カオリの建築している別荘ではシックハウス対策として、@ベタ基礎+土台気密パッキンでシロアリ駆除剤が必要ない環境にする、Aコンクリートの温度が室内温度と同調する外断熱工法によって結露によるカビを防ぐ、B壁紙を使わず塗り壁にする、C畳の部屋は造らない、D無垢材のフローリングを使用する、といった基本的な部分の他に、E排気型セントラル換気システムの導入、という方法をとりました。

排気型セントラル換気システムとは、いわゆる24時間換気システムのことで、住まいの適所に設けられた給気グリルから、常に新鮮な外気を採り入れるとともに、排気グリルで集めた汚れた空気をダクトを通して換気ユニットに集め、屋外に排気するシステムのことです。このシステムを24時間稼動させることで、室内の空気が常時入れ換わり、清浄な空気環境を維持できます。高性能住宅の場合、その発祥地の北欧では、室内の空気質を健康衛生面から考えて、必要換気量は一時間当たりに住宅の容積の0.5倍、または最小でも180m3/h程度の換気量が必要とされ基準化されています。

換気の悪い住宅にはダニやカビが大量発生します。ダニやカビは乾燥に弱いですから、換気をすることで発生率はぐんと抑えることが出来ます。特にアトピー性皮膚炎やアレルギーの原因とみられるダニは湿度70%、室温25度で繁殖しますので常に換気をして湿度40%くらいをキープすることが重要です。ダニは日に干せば数分で死に、日に干さなくてもまる一日風を通せば死ぬものなので、換気さえ気を付ければ安心して過ごすことができます。また、カビの胞子もアレルギー喘息などの原因となるため注意が必要です。カビ対策としては換気をして湿度を下げると同時に、断熱サッシとペアガラスなど複層ガラスを使用して結露を防止することが効果的です。

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