那須に別荘を新築してみた
那須別荘新築(もくじ)
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57. 駐車場

駐車場
那須は車がないと自由に移動できません。ですから別荘には当然、駐車場が必要となります。駐車場の広さとしては最低でも2台分、出来れば3台分のスペースが確保できれば十分な大きさと言えるでしょう。そこでカオリハウスには3台分の駐車場を作ってもらうことにしました。ところが、駐車場を含めた庭に関するプランニングをガーデニング専門業者に頼むと最低でも80万円以上かかるということです。
「どうしましょう。高いですよねえ。でも、専門業者はそれが商売だから、どうしても高くなってしまうんですよ」
と円谷さん。
「そうですねえ・・・。それじゃあ自分達で考えてみることにしませんか?」
とカオリ。こうして専門業者に頼むのは止めて、駐車場を含めた庭についても円谷さんと一緒に考えることになりました。すでにシンボルツリーの植え込みは終わっていますので、問題は面積の大きい駐車場をどうするかということでした。

駐車場は車が置ければいいと考えた場合、すぐ思い付くのは建売住宅でセットになっているような駐車場です。横に並べて3台の車を置き、その奥が玄関というカタチ。それを実際にカオリハウスの配置図に書き込んで見ると・・・うーん、どうもしっくりきません。
「もっとウェルカムな雰囲気を出したいんです」
と難しそうな要求を出すカオリ。
「そうですねえ」
と考え込む円谷さん。

ここで、“ウェルカムな雰囲気”という表現が出てきましたので注釈を加えておきましょう。カオリはお洒落なカフェやレストランが好きで、那須でも様々なところを訪れてきました。するとそのうちに、特に個人で運営して流行っているお店には、共通した雰囲気があることに気が付きました。それが外観をパッ見たときに感じる“ウェルカムな雰囲気”です。“どうぞ、寄っていって”と語りかけてくるような雰囲気。人々はその雰囲気に誘われて、まるで美しいお花に群がるミツバチのように、そのお店に吸い込まれていくのです。もっともカオリハウスの場合は道行く人が誘われて入ってきても困りますが・・・。

駐車場のカタチで悩んでいると、ふと、フランス国王に対してかの有名なラングドック・ルシヨンのリゾート開発提案が行なわれたときに、日本の扇子が使われて、その提案方法がすっかり気に入った国王の即断で、大規模リゾート開発がスタートしたのだという逸話が想い出されました。
「円谷さん、駐車場は扇型にして下さい」
カオリはフランスのリゾート地に想いを馳せながら言いました。
「扇型ですか?ほうほう」
考え込む時の、いつものクセで口をすぼめる円谷さん。
「はい。こう、車が扇型に頭を突っ込むような感じで停めるイメージです」
カオリは図を描いて説明しました。
「なるほど」
と円谷さん。こうしてカオリハウスの駐車場は扇型に決定しました。

後日、カオリハウスを訪れてみると、ちょうど駐車場のコンクリを流し込んでいるところでした。円谷さんによるとコンクリの流し込みは基礎屋さんにお願いしたそうです。基礎屋さんに頼むと、安くて良いコンクリを丁寧に打ってくれるとのことでした。扇形のR(アール)を出すためにわざわざ測量までして定点を打ったというコダワリようです。その甲斐あってその見事なカーブは、外から見ても室内から見ても、まるで計算され尽くしたかのような美しさです。

「これは綺麗ですねえ」
と思わずつぶやくカオリ。
「そうでしょう。R(アール)を出すのに苦労しました」
と満足気な円谷さん。
たかが駐車場、されど駐車場。面積が大きいだけに、景観に与える影響も大きい。やはりきちんと考えてみるだけの価値はありますよね。

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